僕はいつも逃げてばかりで、
前に進もうとはしていなかった。
冷静な好青年が僕のシナリオだ。
あくまでもシナリオ。
演技でしかない。本当は一歩ずつ下がるばかりだったのかもしれない。
「明日は文化祭だね。」
こいつは僕でも操れるほどのダメ人間。
名前は…ダイチ…だったかな。
「うん。そうだね。」
_____だから?そんなんでテンション上がるかよ。
「お化け屋敷は絶対行こうね。」
僕の苦手な分野。言葉だけでもガクガクだ。しかし、冷静な好青年だぞ。
「ただの道を通るだけだろう。化けもん役なんて邪魔なだけだ。」
「すごい!僕なんかこんにゃくでビビっちゃうよ。」
_____ならやるなよ。僕なんか入口から号泣だよ。
そして文化祭当日。
僕はそれを機に、僕の舞台の幕を下ろそうと決めた。
ねこまたくん (2014/05/17 Sat 23:14:17) ID:1ZjA5MzYxMDI SmartPhone